1991-11-15 第122回国会 参議院 予算委員会 第1号
反対に、日本不沈空母論を提唱して戦後政治の総決算を政治のスローガンにした中曽根政治、これは保守亜流で、軍事力重視の力による政治態様、こういうふうにあったと思うのでありますが、当時の宮澤さんは戦後政治の継承を唱えたはずですが、これも間違いございませんか。
反対に、日本不沈空母論を提唱して戦後政治の総決算を政治のスローガンにした中曽根政治、これは保守亜流で、軍事力重視の力による政治態様、こういうふうにあったと思うのでありますが、当時の宮澤さんは戦後政治の継承を唱えたはずですが、これも間違いございませんか。
安保絡みが懸念される日韓関係や、防衛費の突出だけでなく、アメリカ訪問の際に、バックファイアの侵入阻止や四海峡封鎖を語られた事実が、軍事力重視の基本姿勢を雄弁に物語っています。自国の領域は、他国の手を煩わせず、なるべく自力で守る気概はいいとしても、それは力の信奉、つまり防衛力の増強だけで達成されるのでしょうか。核の傘に対する懐疑も、欧州への中距離核ミサイル配備の問題でクローズアップされたばかりです。
この方針は、全方位外交を完全に否定し、日米基軸の西側連帯外交の発足、平和外交から軍事力重視への転換を宣言するものであり、そこには、世界を東西両陣営に分かつ冷戦的発想すら濃厚に出ていると断ぜざるを得ないのであります。 日本は、軍事力で守れるような国では絶対にありません。
いま急に変わったのじゃないというお話ですが、たとえば最近の一般の新聞論調でも、これは毎日新聞の社説ですが、この青書について、いわば全方位外交の廃棄だ、平和外交から安全保障、軍事力重視への転換宣言だと述べている新聞論調もあるわけです。
福田前総理は、外に向かってはわが国は軍事大国にはならないと胸を張っておられましたが、一方国内においては軍事力重視、防衛力強化、有事立法研究を進められてまいりました。また、昨年十一月、日米防衛協力のための指針が合意され、共同作戦計画や作戦実施要領が想定されました。しかし、今日のアジアの国際情勢から、軍事力増強や有事立法想定を訴えるような条件は全然ないと思うのです。